本会設立の趣旨


キリスト教信仰に基づく教育を建学の理念とする青山学院は、先の大戦において、長年日本の教育に貢献された米国宣教師の国外退去、学徒出陣、そして廃学の危機を体験しました。青山学院大学の先人たちは、二度と同じ過去の過ちを繰り返さない決意のもと、自由で平和な日本を担う人材の育成を真摯に進めてきました。この想いは、学院140周年に策定された「AOYAMA VISION」の「すべての人と社会のために未来を拓く」というステートメントにも継承されていると考えます。

本年5月14日に閣議決定され、7月16日に衆議院で可決された「平和安全法制整備法案」、「国際平和支援法案」のいわゆる「安全保障関連二法案」は、現在参議院において審議中です。同法案は、歴代内閣が違憲としてきた「集団的自衛権」の行使を容認するものですが、日本の憲法学者の大勢が違憲の疑義を呈している同法案を、日本国憲法のもとにある一内閣が憲法の解釈範囲内と強弁し、成立させるとすれば、日本国の「法的安定性」は損なわれ、日本近代が営々と築き上げてきた法治主義、立憲主義、そして先の戦争の「深い反省」のもとで先人たちのたゆみない努力によって培われてきた戦後日本の平和主義が大きな危機に陥るとともに、この国の学問研究教育の土台自体の信頼が失われることになります。

私たちは多様な思想信条をもっていますが、かつてキリスト教信仰に基づく教育を守るため痛苦な体験を経、「深い反省」から再出発した青山学院、「平和国家」日本の教育の一端を担ってきた青山学院大学の構成員として、「安全保障関連二法案」を廃案とし、この国がすべての人と社会の「平和」と「自由」に貢献する道を歩むよう求めます。

 

2015年9月11日 平和と自由のための青山学院大学有志の会準備会

追記 

「安全保障関連法案」は、2015年9月19日未明、可決されたとされております
したがいまして、これまでの皆さまの本会へのご賛同とご支援に対しまして、まずは感謝を申し上げますとともに、新たな抗議声明を発表させていただきます。

 

2015年9月23日 平和と自由のための青山学院大学有志の会

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