9条と平和主義


 憲法9条は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とし、そのため、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と明記しています。歴代内閣は一貫して、日本は、武力攻撃を受けた場合に自衛する権利(個別的自衛権)は9条により否定されず国として当然有しているとする一方、他国が武力攻撃を受けた場合に共に反撃する集団的自衛権の行使は、9条に違反し許されないとする立場をとってきました。

 

 これに対し、安倍内閣による昨年7月1日の閣議決定は、確立した憲法解釈を覆し、日本は集団的自衛権を行使できるとする新たな憲法解釈を打ち出しました。このような憲法解釈は、憲法9条の解釈の限界を超え明らかに同条に反するものであると同時に、憲法99条による国務大臣ら公務員の憲法擁護義務にも違反するものです。