過去の侵略戦争


 日本はすでに過去、朝鮮半島や台湾を植民地として過酷な統治を行い、また1931年から1945年にかけてのアジア太平洋戦争では、中国や東南アジア諸国での侵略戦争によって、甚大な被害をこれらの国々の人々に与えたばかりでなく、戦死や餓死によって多くの日本兵を無残な死に至らしめました。この痛切な教訓をふまえて、日本国憲法のもとに新たな出発をした戦後の日本は、二度と、国策として戦争の道を選んではならないと誓ったはずです。また、日本のこのような姿勢こそが、日本の植民地支配や侵略戦争に苦しんだ近隣国にとっては、アジア地域の安全保障の不可欠な要素となってきたはずです。

 

 日本の国防にとっても然りです。現在も、東アジアでは様々な不安定要因を抱えていますが、国家間関係において最も基本的な平和的手段である外交的・政治的な手段による努力を怠り、安易に軍事的手段に頼ろうとすることは、状況を悪化させるものでしかありません。武力の行使は、必ず、民間人にも被害をもたらすというだけでなく、それを強いられる現場の兵士にとっても、長期にわたって重い身体障害や精神的トラウマを残します。また、他国と共に集団的自衛権を行使するとなれば、当然ながら、日本自らが、相手国によって反撃を受ける可能性も高まります。